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ややホットな時期を逃した感がありますが、最近読みました
「テルマエ・ロマエ」
古代ローマのお風呂設計技師が、タイムスリップで日本に来れるようになり
毎回その時悩んでいたことのヒントを日本のお風呂でつかんで帰り
ずんずんヒットを飛ばしていくというお話。
まだ1巻しか出ていませんが、漫画大賞2010と手塚治虫文学賞を受賞しています。
いいですね~、日本のお風呂と古代ローマ風呂とのリンク(笑)
個人的には、もう少しローマうんちく系とギャグ系を盛っても
よいと感じているのですが、この設定で進む楽しさは格別です。
そして、現代日本のお風呂技術をローマに持っていく、
というアイディアの延長線上でふと考えたのが、
十二国記で一国を任されて、日本から何か持ち込むとしたら、
まず何にするか?ということ。完全に現実逃避妄想ですわ。
無人島に何を持っていく?という質問にも似ていますが…
国の気候にも寄りますが、今のところ考えているのは、「サツマイモ」です。
でも、サツマイモ導入後の人口コントロール策も一緒に考えなきゃいけなそうです。
ちなみに、「サツマイモ」アイディアの元は、「銃・病原菌・鉄」だったりします。
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![]() | 何度も何度も挫折した人のための 英語はネット動画で身につけろ! 角川SSC新書 (2010/03/10) 本間 正人 商品詳細を見る |
目次
第1章 まず英語を学ぶ楽しさを感じよう
1.英語学習法―間違いだらけの常識
2.英語学習を楽しくする基本
3.インターネットの効用を活かそう
第2章 自分に合った学習法を見つけよう
1.あなたの得意な学習スタイルはどれ?
2.「MIX3の法則」で飽きずに続けられる
第3章 ニュース・サイトは難しくない
1.ニュース・サイトで楽しく学ぶ
2.今使える英語をすぐに身につける
3.日本にいながらにして英国留学を体験!!
第4章 ビジネス書で英語力を磨く秘訣
1.ビジネス洋書は英語の学習資源
2.著者の肉声を聞いてみよう!
第5章 いよいよ動画サイトに挑戦!
1.YouTubeで英語力を磨く
2.YouTubeで挫折しない英語学習法
第6章 さらにステップ・アップするために
1.日常生活に英語を取り込む
2.ふだんの生活の中でステップ・アップ
最後に―英語を学び続けるために
お世話になっている、本間正人先生の新書。
本間先生はNHKの英語講座講師もされた、英語のエキスパートです。
英語学習法についての本なのですが、
読み終わって最初に浮かんだ言葉は「楽しい!」でした。
とにかく教材がどれも楽しそう、内容が興味深そうでワクワクします。
まずは英語の学習法解説から始まり、
興味分野ごとの教材、それぞれの人が楽しいと思いやすく、
学習もしやすい教材(動画に限らず、ほとんどネット上で無料のもの)
を紹介しているのですが、
その教材がビジネス系からスポーツ、ファッションまでとても幅広い。
そして何より、ご本人がそれぞれのサイトを本当に
“面白がって”いらっしゃるのが伝わってきて、
「これなら楽しそう!」と本当にモチベートされるのです。
私の場合は、まずジョブスのスピーチですね。
確かに、暗記するくらい聞きたい気持ちになってきました。
英語ってかっこいいフレーズはほんと嫉妬するほどかっこいいですよね。
久しぶりに英語に楽しくふれられそうです。ありがとうございました。
そして楽しく動画を見た後には、「日本語が滅びるとき」も
久しぶりに読みなおそうと思います。


Arneは、イラストレーターの大橋さんが写真・文章・編集すべてひとりで手掛けた季刊誌。
30号まで出て、昨年終了となりました。
その味のある雑誌を知ってはいました。
ほぼ日でも先日特集されていましたし。特集:「大橋歩展へ行きましょう」
が、しかし、です。
だんなが買ってきたこの別冊を読ませてもらって、驚愕。
だって、ほぼ日では悠々自適で作ったような雰囲気で語っていらっしゃったのに
この別冊を見ると苦労の連続。プロジェクトX状態なんですもん。
2000年ごろから不況と自分の年齢的なこともあって仕事が減ったという大橋さん。
自分で楽しい仕事をしようと、雑誌を作ろうとされましたが…
あこがれの人に取材を申し込んでは断られ(結局2度アタックご、別ルートで取材可能に)、
その方の名前を1か所間違えて(誤植)本に(たぶん自分たちで手作業で)シールを貼り、
でも読者に叱られて心から謝り、
自分が素人撮影した写真を読者に叱られ、
取材相手に失礼があったのではないかとこれまた読者に叱られ、
書店にはなかなか置いてもらえずコツコツ販路を開拓し、
書店への発送は全部自分たちで…
かわいい絵と文章で書いているけど、ものすごいことをしている!!
ことし70歳でですよ!!
大橋さんって、かわいいけどいったいこの魅力のもとは何なんだ?
と不思議に思っていましたが、こんなチャレンジ精神とコツコツ努力に
裏打ちされたものだったんですね。すてきだー。
と感動に浸った週末でした。
![]() | フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略 (2009/11/21) クリス・アンダーソン 商品詳細を見る |
落語「寝床」の旦那は、趣味の義太夫を聞いてもらうのに、酒宴を用意しなきゃならならなかった。
人は何にお金を払って、何に払わないのか。
実は昔からその区別って難しかったのかもしれない。
本書は、近年ネットサービスで特に顕著なFREEという現象について
WIREDの現役編集長が学術的研究として書いた本。
(WIREDの編集長をやりながらどうしてこんながっつり研究本が書けるのか…
すごすぎる)
とにかく今まで漠然ととらえていた「無料」という現象について
19世紀近代からの流れにまでさかのぼり、網羅的に丁寧に追っている。
無料からどうお金を生み出すのか?という戦略については
結局経験的に思いつくような手法が紹介されているのみだが、
FREEが生まれる背景と意味について、ここまで丁寧に分かりやすい本は
なかったと思う。
ネット関係に限らず、ビジネス関係者にはとても面白い本だと思う。
個人的には、現在iPod等で問題になっている「ミュージシャンにどうお金を払うのか」
という問題が、ラジオが台頭したときに同じように生じて、
同じように問題解決がされていったという話がすごく面白かった。
何だ、以前にも似たようなことがあったんじゃん。
もう一度じっくり読み込もうと思います。
しかし、こういうちゃんとした本はまだアメリカからしか出ませんね。
そこは残念。
久しぶりに祖母に会ったり(2月で102歳!)、
クラス会で高校の友人に会ったり。
いつもと違う環境にいると、
人生ってちょっとしたきっかけで
ほんとにいろいろな方向に行くんだなーと実感。
普段はどうしても視野が狭くなっていると振り返りました。
固定のネットも契約していないし、
E-mobileも県外の実家ではネットもできないので
暇にまかせて小説でも読もうかと、
家族の本棚から気軽そうな本を適当にピックアップ。
ぱらぱら…とめっくって…
まったく読む気にならない自分にびっくり。
2~3ページ読んでもう後が続かず、一応最後のページだけ拾い読み。
もちろんまったく内容は分からず。
お気軽なミステリーでもだめだったので、
一度読んだ短編小説を読もうとしたけど、それすらだめ。
やっぱり1~2ページでどうにも先に進む気がしなくなってしまったのでした。
2時間の映画が見れない、お笑いも数分間になってきている…
マスコミで言われるような「短気な現代人」そのままの自分に
気付いて、ひどく驚いた帰省中の午後でした。
小学生の時は8時間でもぶっ通しでファンタジー小説読んでたし、
大学時代は12時~30時でゲームもしてたのになあ。
どうも休みの日でも常にあたまの半分は仕事モードなので、
完全に現実から離れた場所に行く気になれなかったようです。
いい面も悪い面もあると思いますが、
今はそんなことでよい時期だと思うので、
そんな気分をしばらく観察しておこうと思います。
![]() | ダ・ヴィンチ 2009年 07月号 [雑誌] (2009/06/06) 不明 商品詳細を見る |
今月のダ・ヴィンチは西原理恵子特集。
西原さんのお話ももちろんですが、編集者についてのコメントが
すごく心に残りました。
その中の一つ、「毎日かあさん」担当編集者についての
西原さんのコメント。
毎日新聞で連載が始まった時は、まさか新聞で!?とびっくりしたのですが
やはり最初は苦情の嵐だったそうで、
それでも続いたのは担当編集者の熱意だったそう。
今では大ベストセラーも、この人がなかったら生まれなかったでしょうね。
ダ・ヴィンチ2009年7月号p24
新聞って地方の真面目なお年寄りも読んでるから、
とにかく最初は苦情の嵐。
担当の志摩さんも上司に毎日呼び出されて怒られっぱなし。
“サラリーマンは我慢するのが仕事なんです。
僕のオヤジは一生我慢してきました。
僕が一番尊敬しているのは、僕のオヤジなんです。
だから謝るのが僕の仕事なんです”(中略)
そういう熱い編集さんたちがいてくれたから、
私も体張って書いてこれたんだと思います。
人生をぶつける仕事って、迫力が違う。
ぶつけるぞ~。
![]() | 働く女性のための色とスタイル教室 幸せを呼ぶ外見のつくり方 (2009/01/29) 七江 亜紀 商品詳細を見る |
最近お仕事の関係上、センスのよい服装やサイトデザイン、
会社の名刺などについて研究中。
その一環で、カラーコンサルタント七江亜紀さんの本を買いました。
この方、現在勉強会に出席させていただいている
スターブランド社村尾さんのブログで知ったのです。
似合う色と似合わない色を着るのとでは、
肌の色の見え方が全く異なり、
下手に美容にお金を投資するよりも、
似合う色を知ることのほうがよほど効果があるそう。
社会人1年目に自分へのご褒美として
パーソナルカラー診断を受けたことはあったので
4シーズンの似合うカラー分類などは知っていました。
がカラーの情報以外にも、似合う指輪や服装の形も解説してあって
勉強になり、面白く読ませていただきました。
一番面白かったのは、その人の特徴を強調するような形が似合うということ。
ふっくらした人ならボリュームのある洋服、細い人ならほっそりとしたもの。
髪型などは顔の形をカバーするようなものが勧められていたのですが
洋服の形については意外でした。
あと、帽子が似合う人についての記述にも発見が。
顔から頭までの距離が短い人は似合いますが、長い人は似合わないそう。
似合わなかったらあきらめたほうが良さそうです…。
「自分の体型から目をそむけず、しっかり把握して似合う服を選ぶこと」
という記述も心にぐさりと刺さりました。
反省して、鏡の前でじっくり観察。確かに意外な発見がいろいろあります。
巻末に自分で色判断ができるシートがついているので、
カラー診断を受けたことがなくても似合う色が分かるようになっています。
ただ、私は自分のタイプを分かっていながら
そのシートが似合うかいまいちちゃんと診断できなかったので
私のような方は、一人ではなくて友達と診断しあった方がよいと思います。
また、この後知人でカラーに詳しい人に話を聞いたのですが、
2つのシーズンにまたがる人も多いそうなので、
そのあたりは柔軟に考えてよいそうです。
ちなみに私のタイプは夏。
カラー診断の時には、似合う色、好きな色、性格イメージの色が
同じだねと言われました。
カラーの世界はとっても奥が深いですが、これからもいろいろ勉強していこうと思います。
![]() | ベッキーの心のとびら (2009/03) ベッキー 商品詳細を見る |
私の周りでマジメに仕事について考えている人の多くが
ベッキーをベタぼめしています。私ももちろん好き。
で、今日ベッキー本が本屋さんに平積みになっていたので
思わず立ち読み。
見開きで1ページが写真、1ページが短いメッセージという本で
あっという間に立ち読み完了。で、即効買ってしまいました。
すごいよ!ベッキー!!
そんじょそこらのビジネスパーソンより、よっぽどできた人です。
「スタジオに入る時、スタジオを出る時、
スタジオの方を向いて一礼させてもらっています。(中略)
場所にも空間にも感謝の気持ちを……。」
「私は毎朝+毎晩、“感謝の時間”というものを作っています。
心を鎮め、手を合わせて、
まず前日(もしくはその日)を振り返り反省します。
次に感謝。
家族、お友達、スタッフさん(中略)。
できるだけ名前や事柄をあげて、
『ありがとうございます』とお伝えします。(中略)
1日が『ありがとう』で始まって『ありがとう』でおわるのは
すごく気持ちがいいことです。」
7つの習慣を地で実践してます、ベッキー。
どうしてこんな考えになれるようになったのかしら?
私も1つずつ見習おう。
![]() | 本田式サバイバル・キャリア術 (2009/03/18) 本田直之 商品詳細を見る |
「レバレッジシリーズ」が有名の本田氏が3月20日に出版した最新本。
タイトルが気になっていたので、本屋さんで目次チェックした後に購入を決定。
会社ではなく個人としてやっていける力を見につけよう、
その力を本田氏は「パーソナル・キャリア」と呼んでいます。
このコンセプト自体は、これまでもリクルートエイブリックのキャリアスクール
「アイカンパニー」の講義でも考えてるきっかけをいただいてきたのですが、
今の自分にとってとても嬉しく、励まされる言葉が本の端はしにありました。
そのなかからいくつか抜粋。
「ここでやってはいけないのは、(パーソナル・キャリを)すぐに
換金しようとすること。たとえばITの勉強をしたからといって、
ウェブ関連の作業的な請負仕事をしたりするのは避けるべきです。
これは先にも述べたような、時間を切り売りする時給の
仕事になりがちで、付加価値を高めることにつながりません。」
「(パーソナル・ブランディングをアウトプットするという)
第二ステップでは、『打てば響く』というような反応を望んでは
いけません、長期的な視点で、焦らずたゆまず発信し続ける
ことが大切です。」
「パーソナル・キャリアとは『この道一筋』を極める類のものでは
ありません。いくつもの種をまき、それらがいくつもの段階を踏んで、
複合的につくられていく。これが私自身の実感です。」
「三十台はパーソナル・キャリア作りに精力を注ぐべきですが、
まだリターンを取ろうとするには早いでしょう。手早く換金するより、
自分資産を豊かにするイメージが理想です。」
「いいものに出会い、偶然を生かすには、むしろすべて(のキャリア)を
デザイン(設計)しきらないほうがいい。ドリフト(流される)しても
いいというより、説明外はドリフトすべきだといってもいい。
ひとは、自分で選ぶと、ある範囲内から、行動プランを選んでしまう。」
「1ヶ月限定で、通常の半分の生活費で暮らしてみること。(中略)
いろいろ工夫するようになり、その楽しさにも気づくでしょう。
その経験は、必ずこれからの時代をサバイバルしていく糧となります。」
「パーソナル・ブランディング作りの基本になるのは、なんといっても
セルフ・メディアによる情報発信です。」
「年収が上がっても、生活レベルを上げないことです。」
などなど。
焦らず、危機意識を忘れず、こつこつがんばろうという
前向きな気持ちになれました。
![]() | 日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で (2008/11/05) 水村 美苗 商品詳細を見る |
小学生の時、どうしてこんなに多くの人が“同じ日本語”を話しているのか
とっても不思議に思った記憶があります。
方言の違いはあるにせよ、歩いていけない範囲の人たちが
こんなにも同じ言葉を話しているのが不思議で仕方なかったのです。
この本は昨年梅田望夫さんがブログで絶賛されていて、
お正月の海外旅行のお供に持っていって読んだ本。
読んでいてそんな小学生の体験を思い出したのでした。
こんなに大きい範囲で人々が同じ言葉を話していたのは
もともと違った言葉を話していたのに、駆逐されていったから。
国民国家の成立以来、たまたまそれぞれの国の言葉で
それぞれの国の人たちが知的活動を行ってきましたが
近年さまざまなことが国境を超えて行われる中で、
それが英語に取って代わられてきている。
しかし、近代以前を考えれば
これまでもラテン語にせよ漢文にせよ
力を持った国の言葉が、周辺国の知識人に使われてきたというもの。
筆者は小学生で父親の仕事の関係でアメリカに移住、
しかし英語になじめずずっとフランス語を専攻してきた
という得意な経験をバックグラウンドに、
日本の知識人が日本語で読み、書き、そして
思考をしなくなることに非常に危機感を抱き、
最終章ではエリートのみに徹底した英語教育を行うことを提案しています。
どうしようもない問題で、でもエリートに英語教育という方法もしっくりこず
かといって自分なりの考えもあるわけではなかったので、
今まで感想を書いてこなかったのですが…。
まだ考えは出そうにないので、ひとまずブログに書いてしまいました。
同じ時期に「ほぼ日」で主催した吉本隆明さんの講演では
言葉というよりも、「沈黙」の大切さを説かれていて、
言葉というもの自体を考えたり…。
まだもやもやと考え中です。
それから言葉の問題とは別に、この本で非常に印象に残ったのが
筆者と母親との痛々しいまでの関係です。
非常に聡明な女性なのですが、精神的なものから体調をよく崩されていて
その原因が母親との関係であることが、本を読んでいると浮かび上がってくるのです。
現在50代後半ながら、今もパワフルな母親に苦労している様子。
アメリカにわたったのが小学生後半でありながら、
そこから英語を習得しなかったというエピソードも
アメリカ好きだった母親との関係が影響しているように思えてなりません。
思春期で拒食症の少女が、実は母親を拒みたいのが原因であるように
この人は英語を拒否したのではないかと。
パワフルすぎる母親を拒みつつ、でも母親に甘えたいという気持ちが
行間から伝わってくるようで、非常に痛々しい部分があるのです。
水村氏の体調が少しでも回復するようにと、祈るばかりです。